今日は昨日の明日

つばめさんの小さな一日

社会派映画の傑作 シン・ゴジラに見る日本

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今回のゴジラは歴代「最大・最強」


とにかくゴジラがすき。かっこいい。

堂々としている。王者。覇者。

子供がだいすきな、口から吐くビーム的な火炎放射。

やばい。

ゴジラと友達になりたい。

いやゴジラになりたい。

 

 

2016年にシン・ゴジラが発表され、

映画館で見るぞと誓っては公開終了になり、

新作レンタル出たら借りるぞと誓ってはそれっきり。

気づけば地上波初放送もしてたんですね。

この期に及んで見逃しました。このやろう。

 

もう公開から1年経ってるし、こないだ地上波初放送もしたし、

ネタバレOKっしょ!笑

  

 

 

 

 シン・ゴジラのシンって?

SHINGODZILLA。米国版タイトルはGodzilla Resurgence。

「シン」には「新」・「真」・「神」の意味が込められているそう。

真についてはハッキリ汲み取れませんでしたが、

全く「新」しいゴジラのありかた。

作中でたびたびゴジラを「神」と呼ぶ。

今作ではよりゴジラの神格化がなされているように感じました。

 

これらをまとめて「シン」としているようです。

その「シン」がいかほどのものなのか。

 

 

全く新しいゴジラのありかた

基本的なゴジラ生誕の由来は変わりありません。

「地球上の核物質を取り入れた生物」です。

 

これまではゴジラは人間に対して敵意を持つように攻撃を繰り出す悪者的な怪獣でした。

(数あるシリーズの中でヒーロー的存在になった作品もありましたが。)

意外なことに今作で大前提になっている事が、

まずゴジラ自身が人間に対し意図的に攻撃することは無い

ということ。

この設定を第一に新しいゴジラと言えるでしょう。

 

そして次に、今作のゴジラは、進化する

設定上はなんと第8形態まであるのですが、

作中では第4~5形態の時点でゴジラ凍結により人間が勝利しています。

(戦闘中は第4形態だったのかもしれませんが、勝利後のラストのシーンでは第5形態のようで、厳密には戦闘中にも進化しつつあったといえます。)

もしゴジラ凍結に失敗していれば、第5形態以降は人間では確実に手が負えず、

最終的には第7~8形態をもって文字通り「神」になる。

というのが今作のゴジラ

 

 

シン・ゴジラ 第1形態

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一番最初にゴジラが出現するシーンは「尻尾」でした。

しかしながら、作中ではまだゴジラとも決まっておらず、

そもそも未確認生命体なのか?

100℃の水蒸気が出ていることからもそのエネルギーをもつ巨大生命体なんてありえない!

っていう疑心暗鬼的な状況だったのに、

「尻尾」ってなぜ分かったんでしょうか?笑

海だから巨大タコやイカの「触手」かもしれない、とかならなかったのか。

と観ながら思ってしまったぼくは、

もう「あの頃のぼく」じゃないんだな…と哀しくなった。

 

 

シン・ゴジラ 第2形態

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うねうねうねうねうね…

 

これはとにかく衝撃的でした。

これが、ゴジラ…??

少なくとも、「ゴジラ」シリーズでゴジラなるものを知っている人たちにはこの登場で期待を裏切られたというか、拍子抜けした方もいると思う。

 

眼はどこを見るでもなく、表皮は意外にぷるぷる。

そして左右に身体をうねうね揺さぶりながら進むさま。

ウツボのようなルックス。

これまでのゴジラではないのは明らか。

まさに

 

キモい。

キモかわいいのだ。

 

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エラらしき部分からは血液みたいな真っ赤な体液をビシャーっと撒き散らす。

ちなみにこの体液は放射性物質を含み、空気に触れると発熱して周囲のものを溶かす。

第1形態での海の赤い液体と、高熱の水蒸気はその関係だと思う。

ちなみに未公開シーンでは、電車のレールは高熱で歪んでしまい、タイヤはパンクする。

 

目的は不明、ただ一直線に、周囲の船舶・橋梁・建物等を破壊しながらうねうね進むだけ。

 

東京都大田区蒲田に出現したことから、

ネット上では「蒲田くん」と命名される。

なんともいえない間抜けな顔が人気のようです。

 

 

 

シン・ゴジラ 第3形態

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おぼつかない2足歩行スタイルへ。

 この第3形態でお待ちかね、例の咆哮をあげてルックスも相まってようやくゴジラっぽくなる。

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第3形態は手が生え、尻尾は太くなり、背中のトゲも大きくなっている。

 

 

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政府の苦渋の選択として遅れつつも迎撃態勢に入る

ゴジラはだまって見ているだけ。

しかし近くに逃げ遅れている住民を発見したため攻撃は中止。

ゴジラも体内の冷却機能がうまく働いていないため進路を変え、海に戻る。

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東京都品川区で立ち上がったことから、

ネット上では「品川くん」と命名される。

 

 

 

シン・ゴジラ 第4形態

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海での休息を終えて、進化したのち再上陸。とにかく巨大。

この第4形態で、「今までのゴジラらしい」ゴジラとなる。

そしてここでようやくお決まりのゴジラのテーマが流れ、やっぱりゴジラなんだと思わせる。上手い。

 

でも今まで以上に、

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今回のゴジラは顔面が凶悪。

 

「目はいらん」といわんばかりのアンバランスさと無尽蔵に並ぶキバが凶悪っぽさを出しています。

表皮は見て分かるように黒く硬化しています。イメージは「マグマと溶岩」らしい。

歴代最大の身長118.5m、全長333m、体重92000トン。

鎌倉で上陸、再度首都へ向かう。

ネット上命名「鎌倉さん」…

ここまで成長したら「さん」付けになり敬意が伺えます。笑

 

自衛隊多摩川で防衛するべく機関銃等を使用するんですが、ゴジラは全くの無傷!

とにかく硬すぎる。

爆弾を顔面に落とされても反射的に目を閉じて無傷。

ゴジラは防衛ラインを突破、品川区の避難完了の報告を受けていなかったため、作戦は終了。

 

夜の都心、米軍の地中貫通型爆弾でようやくゴジラにダメージを与える。

ここでようやくゴジラの攻撃です。

ダメージを受けたゴジラは反撃するかのように、都心を焼き払う。

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後にネット上で命名される「内閣総辞職ビーム」なる制裁。

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これ見たときは鳥肌ものでした。

悲壮感のあるBGMが印象的でした。。

思い描いていたゴジラ像とは違い、そんなのあり?的な、スケールの大きいこと。

堂々としていながら、いざとなったら圧倒的な破壊力を発揮する、

「破壊神」としても過去最強。

 

エネルギーを使い切ったゴジラは停止。

これが第4形態で唯一の弱点のようで、使い切ると休眠状態になるわけですね。

 

人間側もそれに気づき、捨て身の消耗戦へ。

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ひるんだゴジラに開発した血液凝固剤を口腔に注入。

ゴジラ-196℃に凍結し、戦いは終わります。

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シン・ゴジラ 第5形態

最後はゴジラの尻尾のカットで終了するのですが、

実はこれこそが第5形態。

 

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尻尾にはヒト型の骨のようなものが確認できます。

ゴジラに共通する背中と尻尾がついていますね。

このアップのカットは実写のようで、

その模型がこちら。

 

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作中でも、研究チームでは事前に

「小型化、羽翼化、大陸間を飛翔する可能性だってある」

と言っていました。

つまり、この無数の固体こそがゴジラであると。

第5形態までいくとこんなものが世界中に飛び回るわけですね。

 

 

未登場  第6形態以降(公式設定)

第6形態

  • 無限分裂
  • 細胞から完全な固体への無限復活
  • 自己エネルギー生成、無限核融合
  • 水と空気がいらない
  • 完全な飛行能力獲得、宇宙へ
  • 別天体の過酷な環境に適応する。

第7形態

  • 体内に宇宙を宿す

第8形態

  • 宇宙の外側に出る

 

 

ゴジラはなぜ東京を目指すのか考える

ゴジラは数回の上陸で一貫して東京を目指しました。

そもそも東京でなければいけない理由はなんだろう?

思いあたるフシとして牧教授の存在があります。

 

  • 失踪した牧教授には原爆で被爆したのち亡くなった奥さんがいて、国はその後助けてくれなかった。
  • 牧教授は放射性物質を取り込む未知の生物を研究していた。
  • 漂流していたプレジャーボート内に綺麗に並んだ革靴がある。(自殺を示唆)
  • 同じくボート内に、宮沢賢治春と修羅」が残されていた。春と修羅の内容は、妹を病気で失いその理不尽な死への怒りがテーマになっている。よって牧教授との境遇も近いと考えられる。
  • 牧教授の「私は好きにした。」のメッセージ。やけになったともとれる文面。自ら海に身を投げ出して、必然か偶然か、未知の生物に取り込まれた可能性。
  • 「君らも好きにしろ。」は、その後のゴジラへの対応に関してと思われる。

つまるところ、牧教授はゴジラに取り込まれ、教授がゴジラそのものであり、恨んでいた国(=東京)に復讐したかったと考えられます。

ゴジラが東京のみを狙うだけの一定数の知能があるかは不明ですが、教授の意識が本能レベルで植えつけられていたんじゃないかと思う。

一般人をむやみに殺さず、ただ東京に向かって歩くのもまた然りで。

ゴジラの遺伝子情報が多いのも、教授=人間を取り込んだことによる結果という可能性。

人間を取り込んでいたとすると、第5形態がヒト型であるという事も関連しているかもしれない。

逆に、上記のような様々な関係性が無かったとすると、プレジャーボートでの謎は、単なる失踪話で終わってしまうし、わざわざボートでのカットを撮る必要も無くなってしまうので考えにくいかな。

そして有力なのが、作中ではその部分は見れないが、模型の尻尾の先端には眼球が埋もれているんです。教授入ってます?

 

いずれにしても、ゴジラのカットは最初も最後も「尻尾」のカットだったし、偶然とは考えにくいので、尻尾にメッセージがあるのは間違いなさそうです。

 

 

 

ゴジラは現実世界での社会現象に生まれてきた

シン・ゴジラでは、ゴジラが上陸し、津波のように押し寄せる海水から逃げる人々や、逃げ遅れた家族がビル倒壊にのまれてしまうシーンがある。

これを見た人の大勢は、あの光景と重なったと思います。

ゴジラ東日本大震災そのものです。

ゴジラシリーズは、社会現象の問題提起が製作の背景にあります。

 

初代ゴジラは戦後の映画ですが、言うまでもなく「原爆」が背景にありましたが、ぼくを含め、今のほとんどの世代は「原爆」を知らないはずです。

今回は記憶に新しい、大震災・津波原発問題。

ぼくは被災地を訪れたこともあり、眼で見て知っているからこそ、今作は胸が苦しくなる光景でした。

 

 

 

これは現代の日本だと思ったシーン

風刺的内容が盛り沢山のシン・ゴジラ

それはみな、今の日本を連想させるようなものばかり。

加えて、アメリカとよく比べる面もあって、腑に落ちるセリフが多いです。

以下に挙げるシーン「以外」でも、見る人によって様々な「日本」が垣間見れたと思います。

個人的に印象に残ったシーン。

 

「なぜすぐに避難指示が出せないんだ!」

「なんせ想定外の事態で、該当する災害マニュアルが見当たりません」

「災害マニュアルはいつも役に立たないじゃないか」

東京都知事のセリフです。

これ、大震災・津波原発を皮肉ってますね。

 

年齢よりも才能を見るのがあの国のいいとこです。

カヨコのプロフィールを見た政府関係者が「それにしてもずいぶん若いな」と漏らしたときの赤坂補佐官の発言。

そうです、日本は未だに崩壊した年功序列制度にしがみついているんです。

 

「米国はゴジラをどうする気だ?研究対象か?それとも…駆逐対象か?」

「それは大統領が決める。

…あなたの国は誰が決めるの?」

矢口とカヨコのやりとりでの場面。

「誰が」に引っかかりました。

実際には責任は担当の者が負うことになるだろう。

 

「これらのことを”矢口プラン”として、総理に伝えてくれ。」

「…分かった。名前はともかく、進めてくれ。」

研究チームがゴジラ生態に関して様々な予測・議論を交わした後に、矢口に言ったセリフ。

なぜわざわざ人名を入れるのだろうか。。

責任はあなたの方で、とも受け取れる発言に対し、矢口の返しに正義感を感じて、さすがだなーとか思ったり。

 

ここがやられたときの政治的空白の心配なら無用だ。

次のリーダーがすぐに決まるのが、この国の長所だということがよく分かった。

立川臨時対策本部での矢口のセリフ。

日本のコロコロ変わる総理や大臣を皮肉ってるよね。

 

ゴジラより恐いのは、私たち人間ね。

多国籍軍による核攻撃決定の知らせを聞いたカヨコの発言。

現実世界では、核を使う人間がこの世で一番恐ろしいということ。

 

「けど、この国で”好き”を通すのは難しい。」

「ああ、僕ひとりじゃな。」

核兵器の使用も含めてどうするのか”好きにしろ”との牧教授のメッセージを読み取ったカヨコと矢口の会話シーン。

確かにこの国では少数派が変わり者・悪とされる風潮がありますよね。

 

スクラップ&ビルドでこの国はのしあがってきた。今度も立ち直れる。

赤坂官房長官代理のセリフ。

先のように米国を褒めるセリフもあったけど日本についても褒めてます。

 

 

 

シン・ゴジラの感想

ゴジラが登場するシーンは言うまでもなく勿論のことですが、何気ない会話のシーンでも見逃せません。

映画を通して、パラレルワールドでも見ているかのような感覚でした。

作りこみに気合が入っているなあ!という印象でした。

「会議映画」と皮肉を言われるぐらい、政府の会議・研究チームや未確認生命体対策本部の会議、たしかに議論の場が多いです。

ただし冷静沈着なつまらない内容ではなく、緊張感とか混乱している様子はしっかり出ていたし、未確認生命体に対する政府関係者らの驚きかたとかは、いちいち人間らしさが出ていて面白いです。

「えっ、動くの?」「そりゃ生き物ですから」とか、「そんなの聞いてないぞ!」とか、「こんなことで歴史に名を残したくはなかったなぁ」とか、「えっ蒲田に!?」とか。笑

 

ただしこれまでのゴジラと比較すると、子どもにはつまらない内容でしょう。

つまらないというと語弊を招きかねませんが、ストーリーが子どもには理解しづらいものであるということ。ゴジラとか戦闘とかより、難しい会話が主軸になっていることです。

ゴジラがかっこいいのは間違いない。

同時に、海外へ視野を向けた場合に、どれほどストーリー性を理解してもらえるかが疑問。結局、日本の政治的内容が主だからです。

難しい言葉の連続で、字幕や吹き替えだって英語にしたら追い付く訳がない。

まあアバウトに見つつも、好評だったようですが。

 

古臭いSE。破壊音とか、総辞職ビームの音とか、はっきり言って昔の特撮映画の効果音と変わらない。音だけが古い。

これでこそ特撮の歴史だとか言われちゃったら、確かに…とはなるんですけどね。笑

庵野総監督なりの初代ゴジラへのリスペクトとオマージュもあるのかもしれない。

映像も、現代のCGに比べればシン・ゴジラは見劣りするわけですが、ストーリーを楽しむ映画だと書かれていたのも確かに…と妙に納得できました。

 

そうそう、あとから知ったんですが、庵野総監督ってどうやらエヴァの監督らしいじゃないですか。

エヴァはそれほど詳しくないんですが、血しぶきのような体液だったり、画面内にやたらと文字を並べたがるクセ、エヴァの監督と聞いたら、あー!たしかにエヴァ色出てたな!と思う。

というか、もはやエヴァそのものじゃないですか?

ゴジラを壊された感も否めなくなる。

知ってしまったうえで第8形態までの進化設定とか見直すと…

すいません正直、中二病っぽく見えてきました。

神とか超越とかヒト型とか。設定ありきみたいな。

 

批判を予想した上での、第5形態で凍結させたのだろうか。。

それとも続編へのクリフハンガーを張っておいたのか。。

 

エヴァ自体は嫌いじゃないです。斬新でしたし本なら昔しばらく読んでましたから。

ただね。

エヴァを卒業できず他の作品(しかも世界的ビッグタイトル)に持ち込んじゃうような監督なんだなと、マイナスイメージを持ちました。

詳細な設定とかコンテ?が書かれているらしい、ジアートオブシンゴジラは嫌な気分になりたくないので元々高いけど安くなったとしても買わないと思う。

 

逆に知らないままでいたらそのままのシン・ゴジラの世界観として楽しめたのに。

と思うと残念な気持ちになりました。

 

 

でもまあ、シン・ゴジラはかっこいいぜ!

面白い映画でしたぜ!って事です。結局は。

ゴジラと友達になりたい。