働きアリだって休みたい

蟻の世界は興味深い

 

蟻塚という1つの社会のなかで

 

次の子孫を遺す女王アリのためだけに

 

何千、何万もいる働きアリが

今日もせっせと餌になるものを探しては蟻塚まで運ぶのだ。

 

それはまるで一斉出社からの外回りをして

ノルマを稼ぐことのみに精を出し

退社する頃 上の者に報告書を出す様に似ている。

 

 

蟻は物理を超越している面がある。

着水しても浮かび、足を巧みに動かしては陸に戻る。溺れとは無関係だ。

ビルの屋上からであろうと、高さ634mの塔であろうと、飛び降りたところでケガの1つもなく着地する。

これらは、余りにも蟻が小さく軽いからなせる事であって、

重力とか体重とか加速度とか空気抵抗とか加算していったところで

公式上においてもその数値は蟻の場合はすぐに頭打ちとなる。

結果、痛くも痒くも無い訳で、

なんだ、焦って飛び降りちゃったよ!

でまた餌を探して帰るのだ。

 

これまた何の応用もきかない雑学だが面白い。

 

 

また1つ興味深い話がある。

 

働きアリと言うからには、四六時中せかせかと働いているかと思うがそうでもない。

 

7対3の割合で、何もせずブラブラとサボる奴も出るのだ。

それはまるで勤務時間中にも関わらず

今日もノルマ行かねーよ…

なんてぼやきながらコンビニの外でタバコを吹かしている営業マンの姿に似ている。

 

更に面白い事に、サボる奴は決まって同じ奴、という事でもない。

全員なのだ。

 

蟻にとってご馳走ともいえる巨大な虫の死骸を運びたい。

到底運べない大きさのそれを前に1匹の蟻が手間取っているとき。

ーこれ運びたいっす!

ーヨッシャ!今手伝うぜ!

と、みるみるうちに仲間がそれを囲って協力して運び出す。

 

だが、それもいつまでも続かない。

やがて痺れを切らした・または飽きてきたのか

数匹の蟻は協力する事をやめ、知らん顔でその場を離れる。

ところが、どこからやってくるのか新参の蟻がその穴をカバーするかのように協力するのだ。

実はこの新参たち、外野でサボっていた連中だ。

先ほど知らん顔で離れた連中はただブラブラとサボり始める。

 

この現場において、

いやどの現場でも、

蟻社会すべてにおいて、

7割が働いている間、残りの3割はサボるのだ。

それが8対2になろうものなら、8側のうち1は働くのを辞め、

それが4対6になろうものなら、6側のうち半分は働きだす。

 

これは人間が推測するに、働きアリが10割すべてフル稼動して皆んな同時期に過労死かなんかしてしまうと

女王アリどころか蟻社会すら終わってしまうからではないかと言われている。

適度な息抜きが働く者にも必要だといったところか。

 

哺乳類等のように鳴いたり、モーションジェスチャーも使わないアリ。

コミュニケーション無しにしながらも、

コミュニティ・蟻社会を維持している。

説明のしようが無いのだが大変上手くできている。