【回想】青春時代1

女っ気なく過ごした学生時代。

 

彼女がいる友達や、いなくても女子と楽しそうに会話している友達。

 

正直羨ましかったが、気持ちとは裏腹に自分は女子を目の前にすると変に固まってしまうタイプの男だった。

 

クールだよね。

そう言われるようになった、言い換えれば無愛想といったところか。

 

おそらくアイデンティティが形成される学生時代の家庭環境とかが無愛想になった原因のひとつでもあるのだろう、と今になって思うところだ。

この件は複雑だからまた別の機会に書こうと思う。

 

それでも、なんだかんだ言って女っ気の絶えなかった友人がメル友を都度紹介してくれたりして。

メル友なんて気づけば死語だ。

今の時代はLINE交換にあたるか。

 

まあヘタレだった俺は女子とメールしても続かない。

いや続けたいのだが話題を振れないんだな。

いかにもテンプレートのコピーペーストみたいに何時も不自然な運びだったように思う。

向こうから連絡を取りたいという女子もいたにはいてそれは嬉しいが、だいたいはメールが途切れた。

 

手応えが良い感じになってきても

じゃあこれから一体どうしようみたいな、

なぜか途中で空回りするような感覚。

メル友から返事が来なくなった事は、もう何度もあった。

 

そんな失敗ばかりで常にフリーの自分だったが、

当時自分がやっていたバンドのライブを見に来ていた子が連絡を取りたいと、バンド仲間を伝って言われた。

 

とにかく明るい人。

そしてあくまで自然な感じで会話が続いたこと。

今までとは違うと実感した。

 

初恋にしては遅咲きの高3だった。

底辺

おつかれさまです。

 

反応無し。

シカトである。

面と向かって。

 

聞き取れなかったら聞き返すものだが

それもないということは完全なシカトである。

 

敵対心なのか?それとも偉ぶっているのか?

どちらにせよ悪意であった。

 

これが記念すべき初の顔合わせだ。

 

作業場に歩いて向かう深夜消灯後の線路道。

 

カチャン。

奴が鍵を落とした。

 

それに気付いた自分は鍵を拾う。

と、同時に目の前に手のひらが見える。

 

ーはい。

と手のひらに拾った鍵を置いた。

 

奴は無言で

また歩き始めた。

 

拾わなきゃよかった。

無意識的な動作だったとはいえ、後悔した。

 

仲の良い奴と盛り上がっているのは

釣りの話、パチンコの話、外車の話、女の話、キャバクラの話、風俗の話、ヤクザの話。

内容は、まあかなりエグい。

会話のなかで部下が失言しようものなら、

「殴るぞ、右か左か選べ。」

なんて脅しをかける。

 

「ゲス野郎」

「チンピラ」

怒りというより、哀れみの気持ちで

頭の中でそう呼んだ。

 

奴はパッと見、ガッチリした体つきで

現場で映える体格だ。

金髪ボウズ、という髪だけを除いては。

 

仲の良いと思われる部下には

そりゃあ声を張って流暢に会話している。

勿論、初めて見る部下とのやり取りのなかで、部下が常に気を遣っているように見えたのは言うまでも無い。

 

これはめんどくさいタイプかもしれない、

自分の滅多に働かない勘がそう言った。

 

奴とは離れた距離で作業を開始する。

 

「おい、ゴリラ!」

奴は仲の良いと思われる部下を呼びつける。

 

その部下は第一印象ではあるが割と謙虚な人だ。

部下にしてみれば、奴に勝手に仲が良い風にされているだけに見えていた。

 

続けて奴は部下に言う。

 

「これやって!俺チカラねぇからよ〜笑」

 

いわゆる口だけのウザいタイプ、かもしれないと思った。

勘が当たった気がした。

言われたら最後、部下にしてみれば自分の作業を置いてソレを優先しないといけなくなるからめんどくさい。

 

奴とは一定以上距離をとっとこう。

 

自分の経験上、口だけの男と付き合ってるとロクなことがなかった。

口だけは一人前だがいざとなると格下と判断している者に振っては逃げるのだ。

仕事に不真面目で歳だけ取るとそうなるように思う。

 

 

チンピラでも食える職。

社会では底辺というらしい。

人生

片道切符に乗ってしまった。

 

これでいい。

 

こうするしかなかった。

 

都会圏というには甚だ疑問だが

 

コンクリートの隙間に緑が残る

 

ワンルーム・独身寮の一室で

 

闘争か逃走か

 

どちらにしてもこれが選んだ道